アトピーのわたしが、恋愛なんて出来るわけない。

ずっと思っていました。
「アトピーのわたしが、恋愛なんて、出来るわけない。」
「恋愛が出来ないんだから、結婚なんて絶対できない」


そう思いつづけて、
一人で生きていけるようになろうと決めて、
弱音を吐かないように歯を食いしばって、生きてきました。

小さい頃から全身アトピーがひどく、
年を重ねるごとに悪化していて、
大学生の頃には、首回りやお腹、脚の皮膚は真っ黒でゴワゴワに。
身体中のアトピーがひどくなるほど、「恋愛なんてできない」という思いは強くなりました。

しかし!
27歳のとき、初めて彼氏と呼べる人ができました。
28歳で結婚をして、30歳で子供が生まれました。


そのあいだ、ずっとアトピーは治りませんでした。
あやしげな健康食品や化粧品に引っかかったこともありましたが、
どれも大した効果は感じられず‥。
結局は、信頼できる皮膚科に通いながら、
症状が良くなったり悪くなったりを、繰り返す生活に戻りました。(今でもそうです)

この記事では、
アトピーで苦しんでいる人に、少しでも役に立てるよう、
「こんなわたしがなぜ結婚できたのか?」を、まとめてみました。

現在の夫に出会うまで、
わたしは、同じアトピーでお付き合いや結婚できた人が周りにいても、
「結婚できて幸せな話なんて聞きたくない」
「どうせ、わたしより軽いアトピーなんでしょ」

と思って、ずっと目を背けていました。

なので、アトピーで苦しい思いをしながら、
いまこの記事を読んでくれている人に、本当に感謝します。
せっかく読んでくれている時間と気持ちを無駄にしないよう、この記事をお届けしたいと思います。



「結婚したい」という自分の願望に向き合えなかった。


わたしは物心ついたときからアトピーで、
ずっと「大人になったら治るもの」と言われていました。
しかし、成長するにつれて、アトピーはどんどん悪化していきました。

高校生くらいのときに、「もしかしたら治らないかもしれない」と思い、
大学生になったころには、「もう治らないんだ」と覚悟しました。
そして、「こんなアトピーがひどいんだから、男性とお付き合いなんてできない」と思い、
それからは、「誰とも付き合わなくても、それなりに幸せに生きていくんだ」と決めました。


そのために、就職活動もがんばりましたし、
仲良しの友人たちのことも、「こんなわたしと仲良くしてくれるなんて」と、
本気で感謝して、大切にしました。

でも、いまではわかります。
本当は、心の底には、
「誰かとお付き合いしてみたい」
「結婚して、家族を持ちたい」

という気持ちが、ずっと渦巻いていました。

でも、お付き合いや結婚に憧れるだけでも苦しくて、
一生懸命、目をそむけていました。
仲良しの友人で集まって、恋愛のはなしで盛り上がると、
聞いているのもつらくなって、気持ちはどんどん削られていきました。
どうにか作り笑いで相づちを打ったり、
そっと会話の輪から抜け出したりするのが精一杯でした。

それでも、「お付き合いしたい」「結婚したい」という自分の願望を、
自分で認めるのはものすごく難しかった。
「いくらお付き合いしたくても自分にはできない」という現実に、
立ち向かう勇気がありませんでした。

「1%でも可能性があるなら、がんばってみよう」と決めた。

そんなわたしですが、25歳を迎えたある日、転機を迎えました。
友人と「もう四捨五入したらアラサーだね」と話していたとき、ふと思ったんです。

「このまま、本当に、誰ともお付き合いすることなく、結婚もできず、死んでいくんだな」と。

卑屈になるわけでも、悲しむわけでもなく、
淡々と、実感として、「ああ、本当にそうなるんだなぁ」と。

そしてそのとき、わたしは初めて、
ものすごく強く、「それは嫌だな」と思いました。

わたしは初めて、自分の中に押し込めていた願望に気付かされ、自分で驚きました。
本当は、誰かとお付き合いしたいし、結婚もしたい。
「この人と一緒に生きていこう:と思われたいし、思いたい。

どんなに恥ずかしくても、直視したくなくても、
一度、そういう自分の気持ちに気がつくと、もう目をそらし続けることはできませんでした。

それから、いろんなことを考えて、
結婚を目標に、がんばってみることに決めました。
「もしかしたら2-3%くらいは可能性があるかもしれない」
「世の中には、奇跡的に、わたしを好きになってくれる人が一人くらいいるかもしれない」
「可能性が低いなら、せめて少しでも若いうちにがんばってみよう」
「5年間はがんばろう、5年間経って誰ともお付き合いできなかったら諦めよう」

そして、
「もしたくさん頑張って、誰ともお付き合いできなくても、何かを失うわけじゃない。」
「もっと若いうちに頑張ればよかった、と後悔しないように今できることをしよう」
と、自分に言い聞かせました。

そうして、ついに25歳のわたしは、婚活をスタートしました。


アトピーにつけこんだマルチ商法を何度も食らいました。


結婚相手を探そう!と決めたわたしがスタートしたことは、以下の二つ。
  1. 合コンの誘いを断らない
  2. 読書関連のイベントに足を運ぶ
まずひとつめは、職場の女性陣や、学生時代の友人に、
たまーに誘われる合コンに参加する、というもの。
これまでは、どんなに誘われても断っていたんですよ。

そしてふたつめは、読書関連のイベントに足を運ぶこと。
具体的には、Facebookで募集している「カフェで本を紹介し合うイベント」や、
検索すると出てくる「読書会」に、片っ端から参加しました。

イベントはイベントでも、なぜ読書関連かというと、以下のような理由があるからです。
  • ゆっくりお話をすることができる
  • 本の内容について話すと、話の内容が表面的にならずにすむ
  • 本を読むのが好きだから、婚活の成果がなくても、普通に楽しそう
とにかく、見た目がアトピーでかわいくもない自分としては、
しっかり話すことができて、「あ、気が合うな」と思ってもらうことが、
唯一の手段だと思っていました。
そのため、この3つのポイントは、とても重要でした。

特に、「婚活の成果がなくても普通に楽しめる」というポイントは大きかったです。
いくら結婚相手を探しているからって、
頭の中がそればっかりだったら、相手にも気づかれてしまうし、自分も楽しめません。
実際に、何度か合コンに行っても、楽しいと思えることはほぼゼロでした。
会話も表面的で楽しくないし、相手によく思われたいから控えめになるし、
こんな楽しくない場所で、恋愛なんてできないわ…と心底思いました。

それよりは、例えば学生時代のサークルやバイトのように、
普通に楽しく過ごしている中で、「ああ、いいな」と思えるのが、
いちばん自然で無理がないなぁと思ったのです。
実際に、わたしは現在の夫に、この読書イベント絡みで出会い、
1年くらいイベントでちょくちょく顔を合わせる日々が続いて、
お付き合いに発展することになります。

しかーし、その幸せなはなしにたどり着くまで、道のりは長かったです。
読書関連のイベントで3回ほど遭遇してしまったのが、マルチ商法の勧誘でした…。
3回とも、大規模な読書会ではなく、小規模な個人の開いているイベントでした。
イベント自体では、勧誘はほぼないのですが、
そのあと「個人的に食事でも行きましょう」と誘われ、
どきどきしながら足を運ぶと、高額な石けんやサプリメントを紹介される…という展開でした。

石けんやサプリメントの勧誘は、
とにかくコンプレックスを突いてきて、
「人間は変わることができる」
「そのコンプレックスをなくせば良い人生が待っている」
等と言いまくり、まるでその商品を買えば人生バラ色!みたいな宣伝文句をぶつけてきます。
そして、その勧誘手法に、アトピーのコンプレックスはびったりなのです。

これは、3回ともとてもつらかったです。
マルチ商法の勧誘だ!と気がついた瞬間、
「ああ、マルチ商法の客になるとしか思われなかったのか」というショックはもちろん、
まるで「あなたは見るからにアトピーですよ!」と宣言されている気持ちになりました。
こういうことが続いてから、
個人的なイベントは避けるようにして、
割と大きな規模のイベントのみに参加するようにしました。


仕事でもプライベートでも、ちゃんと評価してもらえる環境に自分を置くこと。

さて、マルチ商法の勧誘をくらったり、
合コンや読書イベントで良い出会いがなかったり、
そんな日々が続くと、「もうわたしなんて…」と心が折れそうになります。

ここで挫折しないために重要なのは、とにかく自信を持つこと。
でも「自信を持て!」といくら言われても、自信なんて持てません。

わたしは、自信を持つ方法はたったひとつだと思っています。
「とにかく評価してもらえる、褒めてもらえる場所に自分を置くこと」。
もっと具体的に言えば、
「自分を評価してくれる会社で働くこと」
「自分を褒めてくれる友人と一緒に過ごすこと」
ということです。

わたしは当時、ちょうど新卒で入った会社から転職をしたところでした。
転職をした結果、以前は全く褒められることがなかった環境から、
「仕事早いですね」「正確ですね」「もうこれ出来たんですか!」
と、毎日のように評価してもらえる環境に、自分を移すことができました。
もし、このとき転職しておらず、以前の職場にいつづけたら、
婚活なんてとっくに心が折れて、現在の夫に出会う前に挫折していたと思います。

また、友人にも、とても恵まれていました。
なんでもかんでも「いいね!」「すごいね!」と褒めるタイプの友人はいませんが、
お互いの近況報告をする中で、
「そういう考え方っていいね」「そういうことできるのすごいね」と、
お互いが褒めあえて、その言葉を信じられる人の存在は、わたしの心を強くしてくれました。
昔からの友人にも恵まれていますが、
読書関連のイベントで仲良くなった、同性の友人もいて、ますます自信になりました。

もし、いま自信を持てない人は、
それを自分のせいとは思わず、環境を変えてみる、ということをおすすめします。

誰にも付き合ってもらえなくても、自分自身の価値は変わらない。

これは、婚活している間、
誰も見向きもしてくれないとき、
一生懸命、ずっと自分に言い聞かせていたことです。

25歳にもなってお付き合い経験ゼロとなると、
自分に価値なんてないのかしら…という気持ちになるのですが。

でも、事実として、
たくさんの人とお付き合いをしたことがあっても、
一度もお付き合いをしたことがなくても、
自分自身の価値が変わるわけでもなんでもありません。
そもそも人間の価値なんて、誰も決められませんし。

そして、もし、お付き合いができたとしても、
その瞬間に、「あなたは人間としてレベルアップしました!」というわけでもありません。
誰かとお付き合いができてもできなくても、
自分の家族や、友人や、職場の同僚が、自分と親しくしてくれる事実は変わりません。

どんな状況でも、自分を評価してくれる周りの人たちのほうを信じよう、と決めていました。

「誰でもいいから結婚したい」は嘘だった。

こうして、合コンに足を運んだり、
読書関連のイベントに通ったりしているうちに、
なんと、わたしも、男性にデートに誘われるようになりました!
マルチ商法の勧誘ではなく、普通のデートですよ。
婚活をスタートして半年くらいで、何人かに誘われるようになりました。

別にわたし自身は何も変わらなくても、
ただ出会いの数をたくさん増やせば、チャンスも確実に巡ってくるんだな、と実感しました。

ちなみに、わたしを誘ってくれたのは、
  • 30代後半、小太りの真面目な男性
  • 30代前半、誰ともお付き合いしたことのない男性
  • 30代後半、カイジみたいな格好をした男性
というような方々。

正直、他の女性には相手にされないのだろう、と思いました。
わたしは、「結婚出来るなら誰でもいい」という勢いで、
誰にでもものすごく優しくニコニコ接していたので、それがプラスになったんだと思います。

そして、たとえ他の女性が無理だからわたしを誘ったんだとしても、
それでも、わたしはすごく嬉しかったです。
誰かから、お付き合いしたい対象としてみられる、というのは、
その理由はともあれ、これまでそういう経験のほぼゼロだったわたしにとって、
自信をつけてくれる、ありがたい出来事でした。

ただ、わたしはここで、身をもって気がつくことがありました。
こんなに恋愛に自信のないわたしでも、
「結婚出来るなら誰でもいい」というのは嘘だった、ということです。

何度かデートを重ねても、会話が全く面白くない。
とてもいい人なんだけど、一緒にいて「楽しい」という時間がない、早く帰りたい。

そういう時間がつづいたとき、
「ああ、この人と結婚するか、一生独身かの二択だったら、独身の方がいいな」
と思いました。
これは、今までの自分にはない、新しい感情でした。
お付き合い経験がなかったので、こういう基本的なことすら、学べなかったのです…。

それから、わたしの婚活は、
「結婚相手を探そう!」ではなく、
「この人と一緒に生活したいなぁ」と思える人に出会いたい、
という方向に変わっていくことになります。

「この人にやさしくしたいなぁ」と思える存在を見つける。

婚活をスタートして1年ほど、
自然と合コンにはいかなくなり(楽しめないので)、
読書関連のイベントや、
そこで出会った友人の開く飲み会などに絞られてきました。

もはや婚活というより、普通に遊びに行く感覚で、
わたしは「出会いの数を増やす」ことは意識していましたが、
その他はあまり意識せず、自分を良く見せようともせず、普通に楽しむことにしていました。

そこで、現在の夫と出会ったのですが、
お付き合いするまで1年くらい時間がかかった上、
それまで、特別な存在というわけでもありませんでした。
当時、夫に恋人がいた、ということもあるかもしれません。

それから、夫が恋人と別れてから、
二人で会うことが増え、お付き合いに至りました。

今振り返ると、
わたしの夫に対する気持ちは、「好き!大好き!」という感じではなく、
「ああ、この人にやさしくしたいなぁ」という感じでした。
これは、先ほどお話しした、一緒にいても楽しいと思えない男性陣に対する冷めた気持ちとは、
まったく違うものでした。

夫は、「あまり話すのが得意じゃないんだよね」と言っていて、
みんなでおしゃべりしていると、よく聞き役に回っているタイプでした。
ただ、ごくたまに、興味のある話題が出ると、
一気に話し始めることがあって、
そのとき、「この人、確かに話し上手ではないけど、すごくいろんなことを考えているんだなぁ」ということがよくわかりました。
そして、「せっかくいろんなこと考えているのに、話さないなんてもったいないなぁ」と思いました。

それから、わたしは、みんながバラバラに会話しているようなとき、
夫に話しかけて、興味がありそうな話題を振ってみたり、
いろんな質問をして、そうしたらたくさん話してくれるかな、となんどもトライしてみました。

これが、もし自分が好きな人でなかったら、
「あんまりおしゃべりしない人なのね」で終わっていたのかもしれません。
わたしにとって、「思う存分話してほしい」と思い、
いろいろと働きかけるというのは、自分なりの好意だったわけです。

そして、それが迷惑になる相手もいると思いますが、
夫に関してはそうならず、
お互い相手にやさしくしたいなぁと思うことができ、無事お付き合いに至ったわけです。

「アトピーを気にしない男性陣は、一定数いる」という事実。

わたしは、夫と付き合うとき、
自分がアトピーであること、コンプレックスが強いこと、
そしてそのために誰とも付き合ったことがないことなど、
全部正直に話すことができました。

そのときの夫の態度は、拍子抜けするような感じで、
え、そんなこと気にしてるの?別に良くない?という感じでした。

初めは気をつかってくれているんだな、と思いますが、
お付き合いをつづけるにつれ、
「この人、アトピーのこと本当にどうでもいいと思っているな…」とわかりました。

なんというか、本当に気にしていないんですよ。どうでもいいらしく。
「君がアトピーでも気にしないよ!」とかまったく言ってこないですし、
結婚式でも、わたしの真っ黒なデコルテや背中が見えるドレスを試着させて、
「これでいいじゃん!」と言ってきました。(自分は気になるので着ませんでしたが)

ああ、こういう人って、本当にいるんだな…と驚きました。
夫にそう話したところ、「気にする人も多いけど、気にしない人も結構いると思うよ」と、
何の気なしに言っていました。

わたしはものすごく気にしていたけど、
あまり気にしない人も、少数派であれ、結構いるそうです。

夫は、お母さんやお姉さんとも仲が良く、
これまでお付き合いしてきた人もそれなりにいて、
「女性がみんなきれいなわけじゃないし…」
「肌荒れとかアザとか、誰でもあるんじゃない?」
という感じだったので、
女性に夢を抱いていない、現実を知っている男性が、狙いどころなのかもしれません。

さいごに。

こうして、わたしは無事に、お付き合いを経て、結婚することができました。
とっても長くなってしまいましたが、
ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。

改めて、自分がこうしてよかったなと思うのは、
はじめに、自分の「結婚したい」という願望を、ちゃんと自分で認めてあげたことです。
そして、そのために、「無理かもしれないけど、できることは全部やろう」と決めたことです。

自分の正直な気持ちを、自分で認められるようになってから、
「自分の気持ちを自分で否定していたら、絶対に幸せになれない」ということに気がつきました。
結婚できようと、結婚できまいと、
自分が本当はこうしたい!という気持ちを、自分で認めることが、スタートなんだなと。

そして、とにかく行動すること。
なかなかうまくいかなくても、諦めないこと。
諦めないためには、根性論ではなく、
自分を認めてもらう人や環境を見つけて、周りの人たちに自信をつけてもらうこと。

その過程で、これまでの生きづらさが、少しずつ解消していくのを感じました。

「そんなこと言っても、頑張れないよ…」と思う人は、
いちばん負担が少ないことをひとつ、スタートしてみてもいいと思います。
自分の気持ちを認めてあげることでも、
職場を変えるべく転職活動をすることでも、
何か一つ社会人のイベントに参加することでも、なんでもOKです。

ゆっくりでも、自分の正直な気持ちに向けて、行動してみることをお勧めします。
今までに見たことのない景色が、少しでも見えてきますよ!!